ブログで富岳NEXTを批判したら謎のメディアから取材を受けた件

 

 

こんにちは、吉村です。

 

今回は、標題の件について話していこうと思います。

 

以前僕が、国策スパコン「富岳」の後継機である「富岳NEXT」の詳細スペックについて、メチャクチャに文句を言う記事を書いたのをご存じでしょうか。こちらです。

 

kenta-yoshimura.hatenablog.com

 

これについて、さるメディアから取材の依頼が来て、若干ですが記事に名前が載ったという話です。
え、どういうこと?と、皆さん思われたかもしれませんが、僕も正直よく分かってません。

 

依頼を送ってきたのは日経テックフォーサイトという、日経のグループ会社が発行しているデジタル系のメディアの記者の方で、僕は社会と断絶されて久しいのであまり詳しくなかったんですが、どうやら割と名の知られている専門誌のようです。

 

富岳NEXTについての取材を進めていて、ユーザー側の意見も載せたいと思っていたところに、僕のブログを見つけて、ぜひ取材したいということでした。

 


いやいやいや。

 

記事のタイトル見た?


富岳NEXTの「体たらく」だよ?

 

こんなタイトルのブログ読んで取材したいって記事も記者も絶対マトモじゃないだろ・・・どういうことやねん・・・

 

と思って、ていうかそもそも日経テック云々なんて聞いたこともなかったので、絶対なんか詐欺とかスパム系だろと思ってスルーしようと思ったんですが、ふと気になって調べてみたら割とちゃんとしたメディアのようだし、メールを送ってきた記者の方が書いた記事も(有料なので最初の方しか読めないんですが)パッと見まともそうな感じで、なんかこれアレか?ひょっとして本気のやつなのか?と思い、とりあえず詳細を聞こうと返信をしたのでした。


いや~、でも本当にびっくりしましたよ。このブログがまさかそんなことになるなんてね。


日ごろ読んでくださっている方は分かると思いますが、僕はこのブログが何かしらの影響力を持っていると思ったことなんて一度もないし、また影響力を発揮しようと思ったこともありません。


このブログを書くことで何か報酬が発生しているわけでもないし、アフィリエイトとかなんかそういう系のも一切つけてないし、ていうかどっちかというと無駄に世間に逆張った意見を発信することで逆に損する可能性があるというか、、、いやまあこれは僕が悪いんですけど。毎回数千~一万文字くらいの文章を書いてますが、文章の執筆にも校正とか誤字の修正とかに関しても、AIとかそういう便利なツール使って楽したことは一度もないですし、普通にメモ帳とかに適当に書いて貼り付けてるだけですし。


言ってしまえば、僕の行き場のない感情の表出を唯一のエネルギー源とした、他に何の目的も持たない無秩序な文章の集まりがこのブログなんです。


だからこの記事が何の関連もない外部の人の目に留まることも、この記事から何か意見を求められることも当然想定していなかったわけですが.......

 

まあ今回は富岳NEXTという、言ってしまえば「旬」の話題であったのと、その割にはニッチな話題で言及する人があまりいないというので、こんな零細ブログが発見されてしまったというわけですね。


で、詳細とかを聞いて、大体取材の内容とかも教えていただいたんですが、個人的にちょっとどうかなと思う点があり、承諾の返信をするのには若干時間を要しました。

 

まず第一に、僕はマスメディアというものがあまり好きではないんです。


というのは、僕は(こんなブログを書いてることからも明らかだと思いますが)基本的に他人の言葉というものをあまり信用していないんです。

 

というより、もっと言ってしまえば、そもそも僕は言葉ってものの表現性みたいなもの自体あまり信じてないんですよね。自分自身の言葉でさえ、自分の価値観とか気持ちを十分に伝えられるに足るものだとは到底思ってないですし、もちろん最大限伝わるように努力はしているんですが、実際どうかというと、例えばこのブログで言うと、僕が考えていることの、まあ半分も伝えられていればいい方なんじゃないかな〜くらいの感じで、まあ要するに僕はその程度のものだと思っているんですね、言葉なんてもんは。

 

対してメディアというのは根本的に、他人の言葉を書く仕事です。


そしてそれは僕の言葉ではなくて、僕の言葉を聞いた他者が、それも特定の意思と思想を持った他者が、その思想で以て僕の言葉を解釈し、その意思で以てその人の言葉で再構成したものです。

その言葉に、果たして僕の考えとか思いがどのくらい反映されているのかと考えると、まあおよそそうなってはいないだろうと思うんですよね。


それどころか、僕の言葉がある特定の方向に曲解されてしまうことで、読んだ人に誤った形で伝わってしまうこともあるかもしれないわけですよね。
そうなってしまったら、文章を書くのを趣味にしているものにとって、これほど遺憾なことはありません。


でもまあこの点については、すぐにまあ別にいいかな、と思い直しました。


もしこれでその日経ナントカカントカがクソみたいな記事を書こうものなら、僕はブログで公然とマスメディアを批判する機会を得るわけですからね。

それはそれでブログの種になるというか、まあ面白いことになるかな、と思いました。まあよく考えてみたらそこまで強いプライドではなかったってことですね。


もう一つの問題は、このブログが、というか僕の富岳NEXTへの批判が、あまり広まりすぎるとまずいという点です。


僕の念頭にあるのは、理研の人たちのことです。

当該の記事の最初にチラッと書きましたが、僕はいま富岳の「成果創出加速プログラム」というものの一環で、神戸にある理研計算科学センター(通称:R-CCS)の、青木さんという人のチームに所属しています。

批判のきっかけになったシンポジウムも、この青木さんたちに会うために参加した側面も少なくありません。

そして青木さんは実際に富岳を使った計算をしていて、富岳NEXT自体のプロジェクトにも参画しています。

 

そのチームの下で働いている、しかも別になんの役職も持たず単なる下っ端に過ぎない僕が、他でもない富岳NEXTを批判しているということがバレたら、まあそれで何か災いが起こるとは思わないけど、でも少なくとも良いことはないだろうなと思っていました。最悪なんかしらの怒られは発生するかもしれないなと。

 

でもこの点も、実際には何も問題はありませんでした。というのも、

 

 

 

もうバレてました。

取材とか関係なくとっくにバレてました。

どうやら富岳NEXTの中の人にそういうユーザー側の意見みたいなのをちゃんとリサーチしている人がいて、その網に引っかかってしまったみたいです。

やっぱこういうでかいプロジェクトにはそういう暇なマメな人がいるもんなんですね。

 

もうほんとに、一緒にご飯食べてたらいきなり青木さんが「吉村くんがブログに書いてた富岳NEXTのことだけど....」とか言い出して、もうほんとに時間止まったかと思いましたよ。

 

でも、別に、そのことで何か怒られが発生したわけではありませんでした。

寧ろ「立場があると色々しがらみがあって意見を言えないから、若い人がどんどん言ってった方がいい」と意外に好意的な感じで。

 


ただ同時に、「でも、全員の望みを叶えることは難しい」と。

 

 

 

いや、まあ、分かってるんですけどね、そんなことは。

 

 

 

 

いや分かってますホントに分かってますよ僕は青木さんとか金森さんとかR-CCSの人たちが普段どんなに富岳関連のミーティングだとかシンポジウムで忙しくしてるかも知ってるしその裏ではずっと多くの人が忙しく働いてくれていてこのプロジェクトが動いているんだろうなってわかってるしそういう色んな人たちが色んなことを熟議した末に今の形になったってことももちろん分かってますよそしてそれが誰か一部の意向によって簡単に変えられるものでもないってことも分かってますというか別に僕はお出しされたスペックが個人的に気に入らなかったってだけで別に変えてほしいってわけでもないし変えられないってことも分かってますよこんなブログにちょろっと文句言ったところで何も変わらないってことも分かってますというかそもそも僕にそれだけの影響力があるってんならこんな下らんブログなんか書いてないで僕だってもうちょいうまくやりますよでももちろん僕にそんな力はないし意見を伝えられる機会も場所もないしだからこんなインターネットの片隅でグチグチ文句言ってんですよ僕だけに限らず富岳NEXTのプロジェクトに関わっている一部の人以外特に若手は自分たちの要望も現状への不満も誰にも伝えられる手段がないわけでそんな中で誰に向けたわけでもなくただ自分の意見を述べただけのものを勝手に拾い上げてきてそれをまるで若気の至りかのような言いぶりをするのはどうなんですかねそもそも

 

 

 


失礼、取り乱しました。

 

まあとにかく、この点も問題なかったってことです。

それで、じゃあ何も問題になることはないなと言うことで、取材を受けようということになりました。

 

で、日程とかが決まった後、teamsのリンクが送られてきて、「当日はこのリンクからお入りください」と言われたんですけど、そこでちょっと気になっちゃったんですけど、

 

 


あ、これ謝金とかないやつなのか、って思って。

 


いや、まあ、別にいいんですけどね。

別にお金のために受けたというわけではないんで、本当にそういうつもりはなかったので、全然いいんですけど、でもなんか心のどっかで、あ、これ無償なんだなみたいな、ボランティアなんだなこれみたいな、ちょっと思っちゃったんですよね。

 

でもだからといって、「これ謝金とかないんすか?w」とか聞けないじゃないですか。どうせないだろうし。だからまあ聞けずじまいでした。

 

それで当日の取材の内容ですが、まあこれはあんまり細かく書くとアレか、ネタバレみたいになっちゃうか。


まあたとえば富岳NEXTの今のスペックだと何が困るかとか、倍精度と単精度とかその辺の違いだとか、基本的なところから自分の意見まで、まあざっくり色々聞かれましたね。

 

で、取材の最後に、「記事を公開する際には個人情報をどこまで公開していいか」という質問を受けて、完全に匿名にするか大学名だけ出すかとかそういうことを聞かれたんですが、僕は「どういう形でもいいけど必ず実名を出すこと」という謎の要求をしておきました。


匿名でなんかゴチャゴチャ言ってると思われたらムカつくじゃないですか。それに先にも書きましたがもう方々で僕の記事のことは知られているので、変に名前隠してもなんか、アレじゃないですか?なんかダサくないですか?だからです。


それから僕の方からも質問をする時間があって、そこで僕はまず「どうやってこのブログを見つけたのか」と聞きました。

そしたら、「いや、なんか普通に調べてたら出てきましたよ」とのこと。いやぜってーウソだろ。

 

どうやらもともと富岳NEXTの特集記事を書く予定だったらしいんですが、取材をしていても中の人、つまり富●通とか理研とかその近辺の人からの意見しか集まっていなかったところに、なんかブログで割とキャッチーなタイトルで批評をしている人がいて、ユーザー側の意見もぜひとも記事に入れたいということで、それで取材を依頼した、ということらしいんですが、

 

いやだからといってこのブログそう簡単に見つかるか?

まあでもブログとかの発信媒体に限定して富岳NEXTとかを検索したら出てくるのかもしれないです。よくわかりませんけど。

 

というかそもそもの話、僕は別にそんなガッツリ富岳のユーザーというわけではないんですけどね。まあ実際使ってはいるんですけど、最近ちょっと使い始めただけの若造なので。まあ別にその辺はあんまり関係ないかもしれないんですが。


そしてもう一つ、「この取材のことをブログに書いてもいいか」というのと、どこまで書いて良くてどこからが書いちゃダメかみたいなラインもさりげなく聞きました。


向こうの返答は、「基本的にブログの内容に関してはこちらから制限することはしないし恐らくできない」ので好きに書いていいということだったんですが、ただ「記事は4月下旬ごろに公開する予定なのでできればその後にブログを公開して、かつそこで記事を引用していただけたらWinWinなんじゃないかと」ということを言われたんですが、

 

 

いや、それ別に僕はWinじゃなくね?

 

 

って思ったんですが、なんかその場の雰囲気で「確かにそうですね」みたいなことを言っちゃいました。


謝金の件もそうですけど、なんかアレなんですかね、メディアに自分の意見乗っけて発信できたってだけで光栄だろ?みたいな感じなんですかね。ちょっとこれは邪推かもしれないですけど。

まあでも少なくとも、そう思われないような態度を心掛けた方がいいんじゃないですかね、知らんけど。

 


まあでも結局、律義に記事が公開されるまで待つことにしました。まあ別に急ぐ理由もなかったし、あと単純に4月前半は色々忙しくてブログ書く時間がなかったってのが本音ですね。

完成した記事がこちらです。

 

www.nikkei.com

 

ちなみに日経テックフォーサイトは月額課金制のメディアなので、この記事だけお金払って読むということはたぶんできません。気になる人は月額の料金を払うか、心の眼で読んでください。


実際読む価値がどのくらいあるのかというと、僕は一応原稿の全文をpdfでもらってるんで目は通しましたが、正直内容的にはまあまあまあ....まああんまり言うのはやめておきましょうか。


まあさっきも言ったように●士通の人とか理研の偉い人とか、そういう実際に開発に関わってる人たちにも取材されているようですので、HPC界隈とか富岳NEXTそのものに興味がある人は読んでみてもいいんじゃないですかね、わかんないですけど。

 

でも別に、あなたが僕のブログの読者で、僕が何を言っているかを知りたいだけなんだったとしたら、こんなクソ記事一つのために、わざわざ貴重な身銭を切る必要はないですよ。

しょせんは僕じゃない誰かが、僕の言葉を好き勝手に咀嚼して、他の色んなものと混ぜ合わせて出てきたものであって、それは僕の言葉じゃない。

 

僕の言葉は今あなたが読んでいるこの文章だけです。

 

だからここからは本当に僕が思っていることを書きますね。

 


僕は、変わっていかなければいけないのは、寧ろアカデミアの方だと思っているんです。

 

ChatGPTをはじめ、機械学習とそれを使ったAI技術は、いまも驚くべき革新を世界にもたらし続けています。

今のAIへの過剰な投資やその熱狂ぶりはもしかしたらバブル的と言えるかもしれないけれど、ドットコムバブルの崩壊でインターネットの時代が終わらなかったように、そして結局その後人々の欠かせないインフラを成したように、これから長い時間をかけてゆっくりと、しかし確実に、この世界の無視できない大きさの部分を代替するようになっていくと僕は思っているんです。


まあもしかしたらそうはならないかもしれないですけど、でもその可能性は十分高いわけですよね?

それによって社会は変わり、産業構造も変わり、仕事を失う人や、逆に仕事が増える人もいて、そういう世界全体の新陳代謝みたいなものが、ものすごいスピードで今後起こっていくと思うんです。


そしてそんなふうに世界が変わっていく中で、アカデミアだけが、無風でいられることはできないと僕は思っているんです。

 

今すでに、コードを書いたり論文を書いたりといった作業をAIに代替させてる人、たくさんいますよね。僕もそうしてます。今後そうした流れはどんどん進んでいくと思うし、今はまだAIにはできないことも、今後少しずつできるようになっていくと思います。


これまでやられていた計算とかが、機械学習とかその辺の枠組みに置き換えられていくということもあるだろうし、昨今のGPU化とか低精度化とかの流れを受けて、アルゴリズムの常識も変わっていくだろうし、およそ数値計算という領域そのものが、大きく、そして根底から変容していくんだと思います。


そして僕らはそれを、道理に合わないもの、俗世的なものとして唾棄するんではなくて、むしろそれを積極的に受け入れて、自分たちもまた時代に合わせて考え方を変えていく必要があると思っているんです。


でもここで皆さん、つまりアカデミアの外の人たち、スパコンを作っている人たちやアカデミアと研究をする企業の人たち、予算を決める文科省とか大学関係者とかその他諸々、つまり色んな「大人」の人たちに忘れないでほしいのは、アカデミア、とりわけ基礎研究の世界が変化するスピードや、その変化を受容するスピードというのは、往々にして、産業の世界のそれよりもずっとずっと遅いってことなんです。


これは基礎研究が対象にしているものの抽象性や問題意識の根源性を考えれば、自然にそうなってしまうものです。

 

だから、分かんないですよ、もしかしたら、今お出しされている富岳NEXTのスペックは、今の僕から見れば、数値計算に何の役にも立たないクソかもしれないけれど、蓋を開けてみたら、この数年から10年くらいでどんどん手法が開拓されて、単精度とか半精度とかでほとんどの計算が代替できちゃうってことになって、僕の言ってることが実際には全く問題にはならなかったってことにも、なるかもしれないですよ。


研究の進歩と言うのは予測できないので、もしかしたらそういうことになる可能性だってあるわけですよ。


でもここで僕が言いたいのは、もし仮にそうなったとして、その変化に追従するまでの間、つまりGPUとかAIのための色んな理論とか手法が開発されていくまでの間、研究者たちの予算と頭脳、アイデアとかそういったリソースのほとんど全てが、ただ「現状に適応する」という、その実なにも基礎研究を前進させない目標にもっぱら消費されてしまう、そしてそういう事態がおそらく数年単位で起こることになるわけですけれども、皆さんはそれでいいんですか?ってことなんです。

 

本当にいいんですか?研究者の給料って、低い低いと文句言われつつ、結構みんなもらってますよ。ポスドクでも国公立の物理学科なら450-500万、助教なら500-600万、教授クラスなら1000万くらいは普通にもらってますよ。

研究費だって意外とバカにならないですよ。科研費だってなんだかんだ普通に年間数千億円くらいは出してますからね。

スパコンの計算資源だって、電力消費量で見たらホントにシャレにならないくらい使ってるはずですよ。いまイランとか何やらで資源のリスクも高まってるし、計算機もどんどん巨大になってるし、金額ベースで見たらホントにヤバいことになっていくと思いますよ今後。

 

これらのリソースが、ただ「今」に追いつくことだけに、今とまったく同じ計算を、ここ数年のトレンドで流行っている計算アーキテクチャーで動作させる、それだけのために、ただそれだけのために投入されることになって、それで日本の研究開発として、そのための資本投下として、そんなことで本当にいいんですか?ってことなんです。

 

それでも富岳NEXTが「使われる」んなら、ただそれだけで目標は達成できたことになるんですか?ひょっとしたらもっといい道が、アカデミアも産業も含めて、もっと全体に寄与することのできる方法が他にあったりするんじゃないんですか?ってことなんです。

 

 

僕が言いたいのはそれだけです。

 


いや、別にいいですよ。そういうことも含めてホントに全部色々考えたうえで、ホントにそうすることが、つまり今の富岳NEXTの方針が、アカデミアや産業界の、ひいては日本の技術力、研究力のためになると思ってやってるんなら、全然僕は何も文句はないし、その判断を信頼するし、僕みたいな木っ端のような学生が言えることは何もないですよ。

 

そしてもし仮にそうならなかったとして、その時にしっかり「そうならなかった」という事実を反省して、次に活かしてくれるのなら、次にうまくやるためにどうすればいいか本気で考えてくれるのなら、仮に今回うまくいかなかったとしても、それでいいですよ、少なくとも僕は。


でももしそうじゃないんだとしたら、僕はこの富岳NEXTも、それを作っている理研とか富士●とかNvi●iaとかの関係者たちとか文科省のお役人連中も、もうホントに許せないし、今後どうあっても信用を置くことはできないですよ。富岳NEXTなんて、そしてその中のスペックがどうなってるかなんて、他の多くの人は知らないし興味もないかもしれないけれど、僕だけは本当に許さないですよ。

 

僕が言いたいのは本当にこれだけです。

これだけのことなんですよ、僕が思っているのは。

 


まあでも、正直に言って、別にもういいんですけどね、僕は。

別にそもそもその辺の人たちを信頼していたってわけでもないし、というか元々ロクなことしない連中だとは思っていたので。

そもそも失う信頼がないというか、この手の人たちってやっぱりこうだよねというか。この人たちがスパコン作ったらそりゃこうなるよねみたいな。

 


まあでもアレですね、今このブログを読んでいて、数値計算に関連する研究をやっていて、今後もそういう研究をやっていきたいって人は、さっさとこのクソッタレな現状に適応していった方がいいですよ。もうこの流れは誰が何を言っても変わらないし、仮に富岳が変わったとしても世界の潮流はどうあれ変わらないので。


世の中何事も逆張りよりも順張りですよ。プライドもこだわりも捨ててクルクル身を翻してった方が大体においてうまくいくってもんです。

 

そんな未来を現在進行形で作っているのが、もうキャリアパスもあらかたゴールしてあとは引退を待つだけ、何をしたところでノーダメージの、しかもその時にはもう計算コードを書いてるかどうかもわかんねーような連中だってんだから、もうホントに笑えないですよ。

 


まあこれ以上ダラダラ愚痴を言ったところで別に面白くもないんで今回はこれで終わります。

こんな多方面に喧嘩売っちゃっていいんですかね。ないとは思いますが万が一何か怒られ的なのが発生したらいきなり記事が消えたりとかするかもしれないです、すみません。

 

 

 

それではまたどこかで。さようなら

 

 

おわり

 

 

シチリア出張記

 

 3/9-3/12にかけて、イタリアのシチリア島にあるUniversity of Ennaで開催されたJapan-Italy joint symposiumに参加してきた。

 

いやJapan-Italyって何だよ日伊ってそんな物理で協力してんのか?絶対お前らイタリア行きたいだけだろ

 

とか思った方もおられるかもしれない。僕もそう思う。

 

元々研究会の存在自体はメーリスで回ってきて知っていたのだが、invitedじゃないと発表できない、おまけに日本側のメンバーもなんか怪しい人しかいないというので普通によくある旅行研究会だろと流していたところ、九大の福井さんと言う方からいきなり招待のメールを受けたのだった。

 

「登録費はこちらから補助できるが旅費は出せないのでもし予算の都合がつけばぜひ参加してください」とのこと。

 

正直この2.3月はやることが多くなりそうな気がしていたしそもそもヨーロッパというのもあまり気乗りがしなく、予算を確認したら当然のようにヨーロッパ行く金なんてなかったので、「いや〜行きたい気持ちは山々ですが金がありませんわ。ホンマすみません」というメールを返信したら、「なるほど。では、仮に旅費の補助があれば参加していただけますか?」と、先方で可能性を模索してみるとの返答。

 

いやどういうことやねんと思っているうちに、話がorganizerの一人である東工大基礎実験の中村隆司先生(以下、中村先生)経由で関澤さんまで話が行き、なんか「物理学プレゼンテーション実践」という科目の旅費支援の枠組みを使って、理学院からの補助金という形で予算が支払われることになったのだった。

 

いやこれなんかおかしくねーか?なんか裏金じゃねーのか?と思っているうちにもう話は巻き戻せないところまできてしまい、僕のイタリア行きが決まった。

 

 この前口上から分かるように僕は当初イタリア行きには全然乗り気じゃなかったし、出張なんて行く暇があるなら研究していきたいくらいの気分だったのだが、友人家族にこの話をするとみんな羨ましがるし、イタリア経験がある研究室の安永くんとかHyukjinくんとかもイタリアは本当に良いところだと言うし、共同研究者のドイツ人に「来週からイタリア行くけど時間あるときに計算やっとくわ」とメールを送ったら「別に急ぐ必要はない。Take your time」と言われ、いろんな人と話しているうちにまあ研究も多少の余白があった方がいいのかもなという気分になり、もういっそ休暇くらいのつもりで行くことにしたのだった。

 

出張直前、いま一緒に共同研究をしている慈道先生と藤岡先生と議論をする機会があったのだが、そこでイタリアに行くという話をすると、「おー、いいですね。イタリアのどこですか?」と慈道先生。しかしシチリアと答えると途端に顔が曇り「ああ、南部....」と。藤岡さんも「まあ、スリには気を付けてね」とニヤリ。

なんなんだ、コイツら?せっかく人が楽しもうと考えていた時に?

 

ただまあイタリアでスリの話をよく聞くのも事実ではあるので、何も失わずに帰ってきたら御の字という心構えでいくことにした。

 

 前置き長すぎだろと思われているかもしれないがもう少し続けると、僕はある時期から自分がどこどこに出張行ったとかいう話はほとんど公表していない。単にめんどくさいというのもあるが、それ以上に一応公金を使って旅行していることに伴うリスクヘッジの意味合いが大きい。日本人というのは政治家が出張の合間にエッフェル塔のポーズで写真撮ることはもちろん、ただの公務員が勤務後に音楽鑑賞をすることさえ告発されてしまう文化性で、このアカデミアにもいつメスが入るか分からない。そもそも僕はこんなブログなんて書いて人より多く外に発信している身だし、いつどこで誰に読まれているか分からないというのもあって、その辺りはかなり敏感になっている。

 

まあでも今これを書いている以上何も言い訳はできないんだけどね。強いて言えばこの出張で僕は出張のスケジュールを超えて遊んだりとか観光とかはしていないということだけ申し添えておこう。

 

 さてシンポジウムの会場はシチリア島の山奥にある Kore University of Ennaというところで、カターニャ空港よりバスで移動するとのこと。このカターニャというのが絶妙に行くのが面倒で、最も安直なルートとしてはITA airwaysでローマまで行ってそこから乗り継ぐか、ANAならドイツあたりを経由していくルートや、JALだと一回ロンドンはヒースロー空港まで行く離れルートもある。何にせよどっかしらで乗り継ぎが必要になる。

 

会場は本当に山奥といった感じであたりに宿泊施設らしきものはほとんどない、Hotel Siciliaという若干高級なホテルがあり研究会参加者はそこにdiscount付きで泊まれるということで半強制的にそこに宿泊する形となる。

 

予約の件をホテルにメールすると料金の30%をdepositとして払えと言われたのでbank transferで送金してメールを送ったのだが返事がない。

オイオイ、さっそくイタリアの洗礼か?と思ったが、いまから思えばこれはまだ序の口に過ぎなかった。

 

3/7


 当日スーツケースに荷物を詰めて家を出る準備をする。朝9時半ごろ。フライトは昼過ぎの13:20で時間にはまだ余裕があった。

 

イタリアの研究会には同じ東工大の中村隆司先生の研究室にいる同期の大澤悠馬という男も行く予定で、奇しくもフライトが同じだったため、連絡をしようとLINEを開くと既に着信が。どうやらフライトがめちゃくちゃ遅れているらしいとのこと。

 

そこでチェックイン画面を見るとなんと19 hour delayと書いてあり、しかしにもかかわらずメールでも何も連絡が来ていない。よくわからないけどとりあえず空港に行くとチェックインカウンターの周りに人だかりができており、近くにいた空港スタッフに聞くと詳細はまだ分かってないけどとりあえず並んでくださいとのこと。そして結局飛行機がまだ到着しておらずやはりというべきかフライトは19時間遅れ。つまり次の日の早朝の出発となった。我々もよくわからないまま、しかし飛ばないんじゃしょうがないということでこの日は肩透かしを食らったまま帰宅したのだった。

 

 我々のフライトは本来13:20に日本を出発してローマに現地時間20時頃の到着予定。
ローマのフィウミチーノ空港付近のホテルで一泊し、次の日の朝にカターニャ行の便に乗る予定だったが、この遅延で全ての予定がぶっ飛び、ローマ→カターニャも振替が自動で行われて20日の早朝発、夜着ということになった。
となると当然この日のホテルはキャンセルということになる。当日なので当然返金などはないのだが一応伝えておこうと思いキャンセルの旨ホテルにメールを送ったのだが、ついぞ返事が返ってくることはなかった。

 

3/8

 次の日。ほぼ始発に乗って早朝に空港に行くと、カウンターにはすでに長蛇の列。気のせいかはわからないが早朝の国際線はいつも激混みな気がする。だからこそ昼過ぎの便を選んでいたんだが...。

 

しかしにしてもこの日はやけに混みあっておりスタッフに聞くと「なんかフライト遅れとかでいつもより人が殺到しているんですよ」とのこと。我々のせいです、すみません。

 

 結局混雑でさらに30分くらい遅れての出発となった。

 

僕は三列シートの通路側に座っていたのだが、隣は人の良さそうなおじさんと娘とおぼしき女の子の二人組だった。

 

フライト中いきなりmacを開いてスライドを作り始めたのでこの人も出張かと思ったが、チラと画面を見るとJ-PARC(注:茨城県東海村にある実験施設)がどうのと書いてあり何かがおかしい。悪いと思いつつ画面をチラチラ横目で覗いているとおそらく東北大の三輪浩二さんだと判明した。話しかけようとも一瞬思ったが向こうは僕のことなぞ全く知らないだろうし、話しかけて知り合い程度の関係性になったところでこの後10時間以上あるフライトをこなすのは気まずいので黙っておくことにした。

 

 機内食は Italian foodか Japanese foodか選べる。

 


 サラダとラザニア、バゲットとティラミス。なんか知らんけどやたらと美味かった。これもイタリアの洗礼ということだろうか。薄べったいパスタが二層構造になってて中に緑色の何かが練り込まれていたが何かは分からず。ラビオリっていうのか?よく分からない。

 

二回目の機内食。今回は選択肢はなくpregoと言われていきなり渡される。

 

 

 

 チョコクッキーと多分ベリー系のなんかが入ったクラッカー、トマトとかなんか色々入ったサンドイッチ、ナンっぽい生地にバジルソースとチーズとなんか肉が入ったやつ。

 

 


三回目の機内食、なんかトマトときゅうりが挟まったパン

 

 機内では基本的に寝ていた。たぶん半分くらいは寝ていた。僕は乗り物酔いをする性質なので酔い止めを欠かさず飲んでいるのだがこれを飲むと泥のように眠れるので長距離フライトとはかなり相性がいい。あとはスマホでナンプレをやったり、この記事の原稿を書いたり、kindleで一冊10円とかの叩き売りセールの時に爆買いしたまま積んでいた漫画たちを消費したりしていた。あとは映画も見た。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』。あんまり面白くなかった。ティモシー・シャラメはDuneの時の方がイケメンだと思う。

 

 ローマ着。

 

フライトの遅れを受けてローマでの乗り継ぎは自動的に振替が行われており、新しい出発時刻は1715、つまり搭乗は1645だったのだが、羽田発の飛行機がさらに遅れたことによってlandingの時点で時刻はすでに16時20分を回っていた。

 

同じ便の大澤悠真と合流したのち急いで国内線の搭乗口に向かったのだが、なんとこっちの便も遅延しており着いた時にはこれから搭乗が始まるかどうかくらいの雰囲気だった。

 

 イタリアの国内線はなんかみんなめっちゃ陽気で、離陸の時も着陸の時もなんかみんなめっちゃおしゃべりしてるし、着陸したらみんなで拍手するし、なんかもうよくわからないけどすごかった。大澤悠真は窓際の席だったらしいのだがどうやら同じ列の人に「僕は窓際がいいんだけど、君はどう思う?」とか言われて席を交換させられたらしい。ヤバすぎる。

 

 カターニャ着。ここまで来るともう乗客の大半はイタリア人しかおらず日本人というとなんか明らかに物理学者っぽい人たちしか残っていなかった。

 

Circularではここからチャーターを出してくれるという話だったが場所がどこかわからない。見るとなんか日本人の集団が話しながらどっかに歩いて行くのが見えたためしれっと後ろを突いて歩いていると、その中にいた三輪さんが僕らに「バスの場所ってどこ行けば良いのかわかります?」と話しかけてきた。いや、気づいてたんかい。いつから?

 

集団の中に誰だかよく分からないけどイタリア語のわかる女性の方がいてOrganizerに電話して場所を聞いてくれ、指定された場所に移動した。なんかよくわからないが待っているとバンが現れたため、みんなで乗り込む。ガッタガタの道をガタガタ揺れながら進むバスに座ること1時間、下ろされる。

 

 

シチリアの街並み。


なぜか全体的に霧がかっていた。なんで?

 

バスから降りる時にここから400メートルくらいだからと言われたが普通に10分以上は歩かされたしなんかよく分からないけどずっと霧がかってるしでよく分からないまま歩いていたらホテル着。

 


ホテル外観(昼)。

 


チェックインして部屋に。

 

 

 

思ってたより綺麗だった。

 

土足文化なので当然スリッパなどもない。僕はそこまで気にならない方だが気になる人は持参していこう。

 

 トイレの横にちっちゃい水道みたいなのが見えるがどうやらこれはいわゆるビデとかウォシュレットにあたるらしい。土足文化ゆえ足も洗ったりするとのこと。ただうまく使える気がしなかったので結局使わずじまいだった。

 

それからシャワー室のソープが髪・肌兼用とか書いてあったけど、絶対嘘だろ。水が硬水だからなのかそれともこのよく分からない兼用ソープのせいか知らないが、髪がめっちゃゴワゴワになる。イヤな人はアメニティ類も持参していこう。というかこれはホテルだから良かったけど場所によってはアメニティないところも多いと思います。


まだ時間は10時ごろだったけど普通に眠かったのでシャワー浴びてこの日はそのまま就寝した。

 

 

3/9

 2日目、早く寝過ぎて5時ごろに起きる。

大体こういう時は二度寝を決め込むのだがあんまり値付ける気もしなかったので、朝食開始の7時まで起きて作業をしていた。というかこれを書いていた。

 


朝食はビュッフェ形式。内容は卵とチーズにハム、パンとエスプレッソ、フルーツ。いやイタリアじゃねーか。朝からこんなんばっか食ってたらそりゃみんな陽気になるよな。

 

 

でも普通にうまい。


よく考えたら僕は日本のホテルでもビュッフェなら朝食はこんな感じかもしれない。僕は全然陽気じゃないけど。


8:30、バスで移動。

 

University of Enna に到着するが、なんかフロントでorganizerと大学の人が揉めてると思ったら、どうやら会場を間違えたとのこと。どういうこと?

 

というわけでまたバスに乗せられ再び移動。

しかもなぜか最初よりも長く乗せられた。どういうこと?

そして到着

 

 


 会場付近。なんかわからんけど空間の広がりがすごい。

 

 

 会場の様子。なんか椅子しかない空間でワークショップ開始。普通に1時間くらい遅れているけど誰も気にしていないあたりこれもイタリアクオリティなのだろうか。

 

途中、invitationをくれた福井さんから話しかけられ色々と近況の話やこのワークショップのことなどについて話す。初めて話したけど気さくでいい感じの人だった。

 

ランチはなんか立食みたいな感じだった。写真は撮り忘れたが。というか立食だから取る余裕がない。

 

スタッフに頼んで取ってもらう形式だったのだがなんか普通にイタリア語でモニョモニョ言われて何もわからなかったけど適当に指さしたら盛ってくれた。

ていうかなんか普通にワインとかも出てたしみんな飲んでた。僕は水を飲んでいた。

 

午後のセッションもなんか色々あったけど別の作業をしててあまり聞いてなかった。

この日は全体的に実験の話が多かったように思う。

 

4時くらいにセッションが終わって、そのあとはtourに行くとのこと。みんなでバスに乗り、30分ほど移動。

 

バスで相当山道を登って城みたいなところを観光した。

 

 

 

景色が良かった。

その後は山道を徒歩で降りて行き、地元の教会みたいなところを見に行った。

 

 

 

なんか普通にみんなパシャパシャ写真撮ってたけど、普通に地元の人とかがちょっと祈りに来ていたしあんまりそういう感じじゃなかったかもしれない。

地元の神社みたいなノリなんだろうか。

 

僕はこういう宗教的なところではあまり写真は撮らないように心がけているのだが何も残さずに帰るのも惜しい気がして、全体の写真と、貼られていた絵画の写真を撮っておいた。

 

作りも細部まで作り込まれていて絵画もあちこちに飾られていて、現地の象徴みたいになっているんだなと感じた。

 

その後はバスに乗る....かと思いきや、なぜかバスはもう泊まっておらずそのまま歩かされる。するとなぜかその先にホテルがあった。

なんとこの辺りは既にホテルのすぐそばだったのだ。

 

ホテルに戻り、後で有料のsocial dinnerが開催されるというアナウンスがあったのだが、時間も場所も何も教えてもらっておらず、よくわからなかったので同期の大澤悠真のところに行って彼が持参してきていたカップ麺をいただいた。

 

後から聞いた話ではなんかOrganizerがその時周りにいた人たちだけにサラッと場所と時間だけ伝えて全体へのアナウンスはなかったとのこと。そんなんアリかよ。

 

食事を終え、自室に戻ってちょっと作業しようかと思ったが、この日は早起きだったのもあり普通に眠すぎ、10時ごろに就寝。

 

3/10

 4時起床。

この日も割とスッキリ目が覚めたので作業をする。

朝食は相変わらず。まあ別に不満はないんだけど、僕は基本コメ派なのでたまにはコメが食いたくなる。

 

8時半にまたバスで移動。昨日と同じ椅子だけの会場でセッション開始。

 

コンセントの数が少なく後ろから延長コードを引っ張ってきてそれをみんなでシェアする感じだったのだが、5つくらいある穴のうち2つが故障していた。しかも電気が流れないとかじゃなく普通に物理的に刺さらなかった。なんで?

 

昼食はパンとチーズ、生ハム。

 

いや、これ朝食じゃね?まあ普通に美味しいからいいんだけれど。

ちなみにやはり写真は撮り忘れた。

酒類も出ていたが僕はコーヒーを飲んでいた。

 

研究会中は廊下に出てスタッフに頼むと自由にコーヒーを淹れてもらえたのだが、イタリアではCaffeというとエスプレッソのことを指すらしく、そしてこれがめちゃくちゃ濃いし苦い。

 

ロングにしてもらってもなお苦い。カップがお猪口みたいな小さいのしか用意されていないのでアメリカンという選択肢はないようだった。ただそれでカフェインが摂取できるのなら仕方がない。

 

昼食後、なんかいきなりOrganizerの人がこの後向こうの建物のツアーをやりますとか言って、なんか作業場みたいなところに連れて行かれて話を聞く。

 

 

嘘。僕はあんまり聞いてなかった。なんか床がvibration tableになってて地震のシミュレーションができる的な話は聞いた。

 

 僕はなんか途中で飽きて抜けて会場に戻ってきたのだが、そしたら午後セッション座長の福井さんが前の方の椅子で座り尽くしていた。

 

午後セッションの開始予定時刻は14:00だったのだが、このツアーが始まったの自体そもそも14:00過ぎ。そしてそこからツアーが30分くらい。

 

つまりこの時点で午後のセッションの開始がまるまる30分以上遅れていたのである。
これにはさすがの福井さんも呆れ顔で「どうなっとんねん」とぼやいていた。

 

 その後も普通にズルズルスケジュールが遅れていき、4時過ぎくらいに終わるはずだった午後セッションが気づけば5時近くになっていた。

終了後、みんなでグループフォトを撮る。

 

 

みんなチーズとトマトと炭水化物ばっかり食べているので、息が臭い。写真を撮るために並んでいるだけで頭がクラクラした。たぶん僕も大概だったんだろうが。

 

 バスに乗車。スケジュールによればこの後Excursionがあるということだったが...

 

え、ほんとにこれからExcursionやるの?もう外結構暗いよ?

 

しかも目的地に一直線に向かうのかと思いきや、なぜか大学のちょっとオシャレな図書館みたいなところに連れて行かれて、ここでみんなでGroup photoを撮りましょうとか言われて、いや別にさっき撮らなかった?

 

と思いきや写真を撮ったらまたさっさとバスに戻り再出発。何この時間?

 

 しかもその後たっぷり1時間くらいバスに乗せられ、Roman Villaというなんか古代ローマの遺構みたいなところに到着したのだが、その時には時刻はすでに6時半を回っていた。

普通に真っ暗の中、ガイドに連れられて遺構を見て回る。

 

 

 

なんかガイドの説明がやたら丁寧で長い。正直疲れたしもう帰りたいんですけど…

 

 ようやくExcursionが終わったころには時刻は21時過ぎ。Organizerによればこの後懇親会があるとのこと。

え、これから?ほんとにこれからdinnerやるの?

でなんかまたバスに乗せられてなんかホテル併設のレストランみたいなところに入り、21:30ごろからdinner開始。

 

 


 なんか普通にコース料理みたいな感じ。

普通に疲れすぎて写真もあんまちゃんと撮ってないしあんまりちゃんと食べれなかった。

 

なのにイタリア勢はみんなめっちゃ元気にはしゃいでるしめちゃくちゃワイン飲んでるし、何なんだこれは…と思いながら出てくるメニューをモサモサ食べていた。

 

僕らもこの元気さとスケジュールに対するおおらかさは見習わなければいけない・・・か?

 

 Dinnerが終わり、結局ホテルに戻ってきたのは夜の11時半近く。

4時おきの僕はこの時にはもう目がバキバキになっており、もう眠すぎて全然記憶ないんだけどどうやらシャワーを浴びてすぐに寝たらしい。


3/11

 朝6時ごろ起床。

朝食には間に合う時間だったものの眠いのと若干胃の調子が微妙だったのもあってこの日はパス。

そしたら8時くらいから急にお腹が減り始めて失敗したと思った。

 

 ところでこの日は東日本大震災の日であり、日本では14:46に黙祷が呼びかけられている。

イタリアでは8時間の時差があるので6:46ということになり、多分この時間帯は寝ているだろうと思っていたのだが偶然にも起きていられたので、東に向けて黙祷を捧げた。

 

 シンポジウムも後半に差し掛かり、ホテルのフロントではチェックアウトの手続きをしている人が何人かいた。

それを見て、ふと疑問が。

 

研究会は12日まで。僕は今泊まっているHotel Sicilia(空港からバスで1時間)に13日まで宿泊し、13日の10時の飛行機に乗って帰国する。

 

これ、、、間に合うのか?ていうかそもそもその時間にバスなんてあるのか?

 

ということで、ホテルのフロントに13日の朝空港に行く方法を聞く。すると名前と部屋番号を尋ねられて答えると、スタッフが

 

「いやそもそも、君の予約12日までだよ」


え?

 

いや僕13までって予約メール送ったはずなんですけど…

なんかdepositかなんか払えって言われて5泊分のdeposit払ったはずなんですけど….

「もう一泊延長もできるけどどうする?」と言われ、訳も分からず混乱していると、研究会参加者のイタリア人の人が間に入って代わりに話してくれた。


そして僕の方に向き直って曰く、「ここから10時までに空港行くのは絶対無理だからカターニャ周辺でホテルをとった方がいい」
Make up your mind. とのことだった。

 

ああ、そうすか。。。

 

まあ多分13まで泊まれたとして空港に行く手段はなかっただろうから結果オーライだろうか。

というわけでTrip .comでホテルを新たに取り直すことにした。
面倒なので空港近くのゲストハウスっぽいところでも良いかと思ったが、口コミを見ると「シャワー室にゴキブリが死んでいた」みたいなのばっかりだったので、素直にカターニャの市街地に泊まることにした。


 シンポジウムはこの日は割と予定通りに進行した・・・と思いきや、ランチ終了後にまたぞろ突発ツアーが入る。

 

工学部なのか情報系なのか分からないけど、なんかAIを使って動いて喋るロボットみたいなのを作っている研究室を見学した。

 

 

ロボットの写真。

いや、まあ普通に面白いんだけどね。

まあ普通にセッションも30分くらい遅れてるけどね。

ただこのときにはもうセッションが遅れるということにあまり驚きはなくなっていた。

 

むしろ逆に、我々はふだん定められたスケジュールというものにとらわれすぎているのかもしれない。

我々はもっとイタリアのこのおおらかさを見習わなければならない。....たぶん。

 

 

結局このツアーに押し出される形で30分遅れでこの日のセッションは終了し、みんなでバスに乗り込む。

この日もどうやら有料のSocial Dinnerがあるみたいだったが、あまりやる気が出ず、大澤悠真と話して二人でどっか地元の飲食店を探して食べるか、何もなければカップ麺でも食べようということになった。

 

そこに彼の指導教官の中村隆司先生とすれ違い、そこでいいレストランとか治安のこととか聞くと同時に、ついでになんかご飯誘ってあわよくば奢ってもらおうというスケベな作戦で話しかけてみた。

 

中村先生曰く、「イタリアで治安が悪いのはミラノとかローマとかでシチリアはほんとに犯罪ない」とのこと。

スリに気をつけろだの南部はどうとはなんだったのか・・・

まあみんな自分の見た範囲で語っているということだろうけど。

 

そしてなんか会期中に食べて美味しかったお店を紹介してくれて、帰り道にあるということでそこに寄っていくことにした。

ちなみに中村先生は今日はホテルでカップ麺を食べるということでやんわり断られてしまった。

 

 レストランに入るとなんかよく分からないけどイケメンのお兄さんが案内をしてくれた。途中英語が通じず意思疎通が難しい場面もあったが、google翻訳を向こうが使ってくれてどうにかこちらの意思を伝えることができた。

 


ポルチーニ茸のタリアテッレ

 

 

ラビオリの中になんかカスタードみたいなのが包まれてパイ状になってるやつ。
大澤悠真は同じラビオリとなんか肉みたいなのを頼んでいた。

 

ちなみにめちゃくちゃ美味かった。

でも二人で53€。ちょっと高いよ。

でもヨーロッパは全体的に物価めちゃくちゃ上がってるしこんなもんなのかもしれないな。

 


 ホテルに戻り、シャワーを浴びる。
適当に作業をしていたが、10時半にはもう眠くなり、就寝。


3/12

 朝6時に起床。ここに来てから多分一番長く寝た。

研究会はこの日が最終日だったのだが、この日は僕の発表があったので、起きてからはスライドと睨めっこして話す内容を考えたり、どのくらいのスピード感で話せばいいか調整したりしていた。

今まで通り朝食を食べ、8時半ごろにワークショップ会場に向かうバスに乗るためフロントに集合するのだが、この日はチェックアウトということでちょっと早めにきた。

 

Hotel Siciliaの料金はこのワークショップに伴うディスカウントが入って1泊あたり77€。まあ大体15,000円くらいだろうか。

5泊で385€のところ、予約時にdepositとして30パーセントを先立って送金しており、その額は105.5€。

しかし結局予約はなぜか4泊になり計308€となったので、depositを引いてまあざっくり200€くらいになるはずだった。

 

のだが、なんかおかしい。

普通に300€近く請求されている。

何度も数字があってるか確認したのだが合ってるというのでカードで支払ったのだが、レシートを見るとやっぱり5泊分の料金が請求されていた。

 

そこでフロントに「料金が5泊分に間違って計上されている」と伝えたら、なんか予約者リストみたいなのを見て、

 

「いや、君5泊したでしょ?」と。

 

いや、5泊するつもりだったのにお前が4泊しか取ってないって言ったんだろうがーーー!!!ふざけんな~~~~!!!

 

と言ったら、「OK, just a moment.....ハァ~~~」とクソデカため息をつきながら対応してくれた。イタリアのホスピタリティは素晴らしい。

 

そしてなんだかんだちゃんと4泊分の料金で決済してもらい、バスに乗車してワークショップ会場へと向かった。

 

 僕は普段はなんか飄々としてるぶってるが発表では(特に英語の発表は)結構緊張する方だ。

 

大体発表30分くらい前に少し外に出て散歩とかしながらリラックスするようにしているのだが、この日もいつも通りそうしてからまた会場に戻ってくると、なんか発表の順番がおかしい。なんかプログラムに書いてない人がしゃべっている。

 

どういうことだ?と思いながらもスライドの最終確認をしながら座っているとこの時座長をしていた中村先生がやってきて「なんかプログラムの変更で吉村くんは休憩時間の後になるらしいです」とのこと。

 

もうこういう急なスケジュール変更には動揺しなくなっていた僕は普通にわかりましたと言って、まあある意味ちょうどいいか、休憩時間にもう一回外の空気を吸ってこようとか思っていたのだが、休憩前最後の発表に差し掛かったところで、何か前がざわざわし始めた。

 

そしたら中村先生がまたやってきて、「なんか最後の発表の人のスライドがうまく映らないみたいで、急遽吉村くんが先にやるということになったみたいです」と。

 

え?

どういうこと~?

そして心の準備も整わないまま発表へ。

 

 

混乱の中スタートした発表だったが、でもまあなんだかんだ僕も発表経験は多いのでなんだかんだ無難に話せはしたと思う。たぶん。

 

発表後の質疑でSilviaという女性がなんかめちゃくちゃ質問してきてなんか近い分野の人なのかなと思っていたが、どうやらGlitchシミュレーションをやっている人らしい。

休憩時間後すぐのセッションで彼女の発表があったのだが結構面白そうな内容だった。

 

その後の休憩時間でも少し議論をして、別れ際に向こうがThank youと言って手を差し出してきたので握手をしたのだが、握る力が強すぎてめちゃくちゃビックリした。大澤悠馬が言うにはヨーロッパでは強く握るのがマナーらしい。たぶんウソ。

 

 休憩時間中、僕と大澤悠真の二人で話していたらなんかスーツを着た男性がやってきて挨拶してきた。

どうやら文科省の職員で、去年からローマにある大使館に出向してきたらしい。

日伊の学術交流みたいなのを調べていたらこのシンポジウムを見つけて、見学しにきたとのこと。

なるべく若い人たちに話を聞きたいと思っていたらちょうど僕の発表があったため、声をかけたと言っていた。

 

「今の若い研究者たちはあまり海外出張に行きたがらないと言われているが、なぜだと思うか」と聞かれたが、

 

いや、予算がないからじゃー!!!そりゃこっちだって行けるものなら行きたいわーーー!ボケーーーー!!!!

 

とは言えず、、、いや、ウソ。言った。

まあ予算がないからですかねーハハハ・・・みたいな感じ。

 

どうでもいいけど、疲れているのか精神的に追い詰められているのか、なんか目がバキバキだった。もうほんとにバキバキだった。なんなら血走っていた。

 

僕は正直文科省なんてアカデミアに何の貢献もしないクソ集団だと思っているが、その裏でこんなにも目を血走らせながら働いている人が大勢いるのだと思うと、案外その実頑張ってくれているのかもしれないな、と思う。やはり見える部分だけを見て物事を判断してはいけない。

 

 休憩後いくつかの発表があり、そしてその後Closingへ。

Organizerより「初日はバスの行き先間違えちゃってごめんね」とのこと。

 

あ、それは一応申し訳ないとは思っているのか。でもそれを謝るなら他にも謝らなきゃいけないことができちゃうんじゃないか?

 

そして次のJapan-Italy workshopについて。

2029年に京都-大阪での開催とのこと。

 

え~....

 

まあ順番的にそうなんだろうけど日本人としては行く妙味がなさすぎる。

ていうかイタリアがシチリアだったのに比べると地味すぎないか?

まあ別にその時には僕はとっくに卒業してるからどうでもいいんだけれど。

 

 終了後はバスに乗って、ホテルに戻る人はまたホテルに移動、残った人はバスで空港まで送り届けてくれた。

空港からシャトルみたいなバスに乗ってカターニャ市街へ。

 

バスの運転手は普通に英語もしゃべれたし、何なら僕らより断然うまかった。

カードのタッチ決済でチケットが買える。この辺は日本よりもキャッシュレス化が進んでいる。

 

バスを降り、10分くらい歩いてホテルへ。

チェックイン時、Turist taxと言って3.5€払わされる。なんか普通に払っちゃったけど高すぎだろ。


ホテルの部屋のロックはカードキーでなくナンバー式だったのだが、

 


これ一番左、7らしい。
いや、絶対無理だろ。なんか数字でもなく普通に# 的なやつで数字は5ケタなのかと思った。


僕の頭がおかしいだけか?


チェックインして部屋に荷物を置いた後、暗くなるまでに少し時間があったので、同じくカターニャ市街地に滞在する大澤悠真(彼は元からカターニャで泊まる予定だった)と少しその辺を散策することにした。

 

 

 

 

何かわからんけど普通に街並みがすごい。

日比谷とか銀座とかにありそうな建物が普通の顔をして並んでいる。

しかも普通に壁に落書きがされている。


 6時過ぎごろに、あらかじめ調べて目星をつけておいたレストランへ。

僕の付け焼き刃のイタリア語でモニョモニョ話していたのだが店員が「English OK?」といい普通に英語で応対してもらえた。

ていうかなんなら僕らより断然英語がうまかった。

 

 

カルボナーラ

 

ティラミス

 

 イタリア、正直最高です。

やっぱりご飯が美味いって重要だと思った。

 

カルボナーラを食べた話を帰国後に研究室の安永くんに話したら「いやそれシチリアじゃなくてローマ料理じゃん」とか言われたが、黙らっしゃい。


 会計は二人で約50€。やっぱり高い気がする。

まあ市街地だしこんなものか。探せばもっと安いレストランもいっぱいあるのかもしれないが、日本と同じくらい安いということは多分ないと思う。そのくらいヨーロッパの物価高と今の円安はひどい。

 

8時ごろ、ホテルに戻る。

シャワーは上の方に立てかけてオーバーヘッドシャワーみたいにできる構造だったのだが、にしては出力が弱すぎた。

 

シャワーを終えベッドの上でこの記事の原稿を書いていたが、眠いのでもう寝ることにした。時刻は21:30だった。


3/13

 朝4時起床。

今更だけどイタリアについてから起床時間はずっとおかしい。これも時差ボケと言っていいんだろうか。

 

6時半ごろにチェックアウトし、空港のバスに向かう。

バス停の場所が分からなかったのだがホテルのフロントで聞いたらgoogleストリートビューを使って丁寧に教えてくれた。

 

バスに乗って7時半ごろに空港着。

福井さんも同じ便で東京に向かうらしく空港ですれ違い、挨拶をした。

空港でチェックインをし手荷物検査場を通過したのち、時間が有り余っていたので中のカフェみたいなところでパンとコーヒーを飲んだ。

 


その後も少し時間があったのでお土産売り場を見に行く。
自分と家族用にオリーブオイルを買った。

 

 

これね。

なぜかカンに入っているしなんか太陽みたいなの書いてあるし。

 

でもなんか調べたらシチリアのなんからしい。イタリア語のサイトだったから分からないけど。

売り場にいた店員のお姉さんも「これいいっすよ」的なこと言ってたから多分いいやつなんだと思う。

ただ調べたら普通に市場価格より2割増しくらいだった。まあ空港だからその辺は仕方がない。


 お土産を買った後その辺に座って搭乗を待っていたのだが、その時アナウンスが流れ始めて、聞くにどうやら我々の乗る便のことを言っているらしかったが、僕は数詞しか聞き取れないので内容は分からず、英語のアナウンスもなぜかなかったのでまあ大したアレじゃないんだろうと聞き流してしまった。

 

そしてそろそろ搭乗の時間になり搭乗口のGATE11に並んでいたのだが、奥のモニターを見るとVerona行と書いており何かがおかしい。

そこでチェックイン画面を見たらGATE15に搭乗口が変更になっていた。さっきのアナウンスはそのことを言っていたのだった。

最後までイタリアの洗礼を受けてカターニャを出発。

 

僕は廊下側の席を好んで取るのだが搭乗したら何故かすでに僕の席におばさんが座っており「Change OK?」と言われ窓際の席に変更させられた。

 

 ローマ着。

ターミナルの売り場コーナーとかを歩き回っていたのだが特にめぼしいものはなかった。

 

 

EATALY。

銀座とか東京駅とかにあるなんかお高いイタリアの輸入モノを取り扱っている食料品なのだが、なぜかイタリアにもある。というかこの時調べたらどうやらイタリア発祥らしい。

 

イタリアはその辺の食料品店に行けばEATALYできるんじゃないのか?知らんけど。

 

ローマ発。

出発1時間前くらいまで搭乗口のアナウンスが一切なかったことを除けば特に変わったことはなかった。

 

羽田行きということもあり機内は日本人ばっかり。

僕はいつも通り通路側の席だったのだが、横のヤツはなんかずっとゴホゴホ咳こんでるし前のヤツはなんかめっちゃ座席倒してくるし普通に最悪だった。

一番ゴミなのは日本人だったってワケ。

 

映画でも見ようかと思ったのだがなぜか機材が壊れてて音が出ず。

行きと同じく睡眠とKindle積読とナンプレで12時間を乗り切った。

特に書くべきこともないので機内食だけ紹介して終わりにしよう。

 


グラタン?
めちゃ美味い。

 

暗すぎて全然ピント合ってねーけどハムとチーズを挟んだパン。

 

 


パンとクロワッサンとなんか甘いのいっぱい。食いきれねーよ。

 


おわりに

 どうだったでしょうか。

なんか適当に書いてたら長くなりすぎてしまいました。

 

まあ僕は全体的に見て楽しかったと思います。

本土の方は全然見れなかったのでプライベートで行きたいですねいつか。

 

スケジュールは全体的にガタガタでしたがこれは南部の気風によるものでローマとかミラノではそんなことはないそうです。

 

 


それではまたどこかでお会いしましょう。

 

 

 

おわり

 

 

物理学系博士課程の単位事情

 

 

 こんにちは、吉村です。

 

みなさん、「博士課程」って、知ってますか?

 

僕は最近知りました。僕が今閉じ込められているところがそうみたいです。

 

 ふつうの人がふつうの大学に行くと、まあ大体4年くらいは通うことになります。これは「学士課程」と呼ばれています。

 

そこからさらに勉強をしたい人は「大学院」というところに行っておよそ2年間、つまり合計約6年間大学に通うことになります。

この2年のぶんを「修士課程」といい、一般に「大学院卒」とプロフィールに書いている方の99%はこの修士卒の人だと思ってよいでしょう。

 

 しかし実は修士を卒業する際に実は裏で「社会適合度チェック」が行われており、その検査に受からなかった人は、さらに3年のモラトリアムが与えられ、社会に適応するため厳しい修行の日々を送ることになります。

これが「博士課程」と呼ばれています。

 

場所によっては修士・博士と合わせて5年間ひっくるめて「博士課程」とよび、修士の方を「博士前期課程」、博士の方を「博士後期課程」と呼ぶところもあります。アメリカンスタイルですね。この記事では「博士課程」で呼び方を統一しようと思います。

 

この博士課程を卒業した人には博士(○○学)(またはDoctor of ○○)という称号が与えられ、なんか話によれば名刺とかにも書けるらしいです。僕は名刺を作ったことも交換したこともないのでわかりませんが。

 

 さて、博士課程を卒業するには、割と厳しい規定があるとされています。

卒業論文、修士論文とは違って博士論文は世界中に公開され、それ自体一つの論文として評価を受けるのがスタンダードです。

したがって博士の取得要件に、国際的な学術雑誌への論文の掲載が義務付けられていることもあります。

 

 我らが東京工業大学、失礼、東京科学大学の博士課程の修了要件を見てみましょう。こちらから見れます→2025年度大学院学修案内

 


修了要件

 本コースの博士後期課程を修了するためには,次の要件を満たさなければならない。 

1.24 単位以上を大学院授業科目(600 番台)から取得していること 

2.本コースで指定された授業科目において,次の要件を満たすこと
   ・講究科目 12 単位を含め,物理学コース専門科目群から合計 12 単位以上修得していること。
   ・教養科目(600 番台)のうち文系教養科目から2単位以上,アントレプレナーシップ科目から4単位以上を含む合計 6 単位以上修得していること。

3.所定の外国語試験において,コース規定の水準に達していること

4.博士論文審査及び最終試験に合格すること 


このうち4番が先ほどの論文の要件になります。

なんかボカした書き方になっていますが、僕らのいる基礎理論だとどんなに最低でも雑誌論文1報、だいたいは2報くらい書いて卒業していく方が多いと思います。

博士論文は基本的に英語で書くことが要求されており、3の要件はこのことで満たされているんだと思います。

 

 ところで、1番と2番は単位になっていますが.....

 


え!?

 

 

24単位も取らなきゃいけないの!?!??

 

 

研究しながら!??!!??

 


まあ実はそのうち12単位は「講究科目」といってただ研究してれば取れる単位で、実際取る必要があるのは残りの12単位なんですが・・・

 

そのうちの2単位は「文系教養科目」、4単位は「アントレプレナーシップ科目」(通称:キャリア科目)とかいうところから取らなければならず、しかもそこからさらに6単位取らなければいけません。ちなみにアントレプレナーとは"""起業家"""という意味です。


いや~、やっぱ卓越してる大学は違いますね(卓越する前からあったけどな)。

 

この話を他の大学の人にすると大体において「え、博士課程なのに授業受けなきゃいけないの?」とか言われるので、たぶんこんなことしてるのはウチだけだと思います。

 

いや~、やっぱ卓越してる大学は違いますね。


ちなみに僕は現時点で2年次を終えるところですが、

 

 

ほぼ取り終わってます。

というかあとは講究を取ってれば全数の要件も満たせるのであとは研究してれば単位の要件は満了できる状態です。

というか何なら2単位余分に取ってます。これは僕のミスです。

 


 というわけで今回は、博士課程の単位事情、というか、どういう感じで授業を取っていけばいいかについて書いていこうと思います。


ちなみにこれは理学院物理学系の場合なので、他の系でどういう感じになってるのかは全く知りません。たぶん文系とキャリアを取らなきゃいけないのは共通だと思います。


何かの間違いで物理学系の博士課程に進学してしまった方は参考にしてください。

 

・全数要件

 さて、改めて単位取得数の要件を見てみましょう。上の図をもう一度見てください。

 

 まず文系科目とアントレプレナーシップ科目が合わせてAブロック(教養科目群)に分けられていて、講究科目と「コース標準学修過程 専門科目」というのが合わせてBに分けられています。これは要するに物理の専門科目のことです。

最後に「コース標準学修過程外の専門科目」とありますが、これは物理学系以外の、博士課程用の専門科目を取ったらここに加算されるものです。これはいわゆる卓越大学院というか、そういうなんか特殊なプログラムに入っている人がやるやつで、物理学系でそんなのに入っている人はいないと思うのでここではおいておきます。

 

 そして先ほどの修了要件と同じように、文系が2、キャリアが4でAは最低6単位、Bは最低12単位、そしてA+B+C合わせて24単位を取る必要があります。

 

Bは12単位となっていますが、先ほど言ったように「講究科目」というのを取っていれば寝てても研究さえしていれば単位を取れるので、実質専門科目の要件はないものと思っていいでしょう。

 

となるとあとは全数の要件で、各ブロックの最低要件を満たしたうえで、追加で6単位を取る必要があります。

 

まあだいたいは専門科目で埋める人がほとんどでしょうけど、文系とかをチョロチョロ取って数だけ合わせるという戦略もアリってことですね。というか僕は割とそんな感じです。


というわけで次からはその内訳についてみていきましょう。


・文系科目

 東工大の博士課程たるもの、自分の専門だけにとらわれるのではなく、人文系の学問にも通じていなければなりません。

 

.......これはただの文句なんですけど、「文理融合」という言葉を使う時、なぜかいつも理系が人文学をやることになっていて、文系が数学とか物理をやるって話には全くならないのはどうしてなんでしょうか。


 まあそれはいいとして、文系科目は2単位が要件ですが、開講されている科目のほとんどは2コマ連続の講義で、事実上どれか1個を取れば要件を満たせることになります。

 

ほんの数年前まではこの文系科目の講義がなぜか土曜日開講のものしかなく、博士課程に入って早々休日を返上するハメになるという、そして教員もわざわざ休日に講義をしなきゃいけないという、誰が得をしているのか分からない状況になっていました。たぶん我々に社会の厳しさを教えようという大学の懐深い配慮によるものでしょう。


 しかし僕らが入学(進学)した2024年度以降、「文理共創科目」という新たな科目群が創設され、選択肢がかなり広がりました。

文理共創科目の講義のスタイルはだいたいどれも同じで、毎回人がきて講演というか講義をする、んでその後ディスカッションをする。それを何回か繰り返して、最後に3000文字くらいのレポートを出す。出席とレポートで単位が来るという仕組みです。講義によってディティールは違うと思いますが概ねこんな感じだと思います。

 

 僕がとったのは、「科学と文学」という英語開講の講義で、毎回科学を題材にした文学作品について講義があり、ディスカッションをするというもので、中間と期末に英語でmini reportを出したらOKというやつでした。担当の教員がなんかいい人そうだったので取りましたが普通に英語なので他よりキツめだとは思います。

 

それと「人間の"思考"を考える」というなんか変な講義も取ったんですが、これは表題に反してなんかキャリアパスの話みたいなのが多くて、文理共創科目の中では割と面白い部類なのかなと思いました。教員の栗山先生という方がすごいいい人そうな感じで、僕の(今まで受けた文系科目の講義の)中では好きな講義の一つです。


 他にも色々あるんですが、どれが楽かとかはよく分かりません。あとなんか毎年開講される講義が変わったりするのでその辺も謎です。ただどれも出席さえできればそこまでキツくはないと思います。教員の方々の多くは我々が研究が本業であることを理解してくださっているので、出張とかで出席できないとかも割と快く対応してくれると思います。

 

まあしいて言えば、教員の名前で検索して顔を見て人となりが良さそうな講義を選ぶといいんじゃないですかね。知らんけど。

 

・アントレプレナーシップ科目

 数年前まで「キャリア科目」という名前だったんですが、急になんかダサい名前に変わってしまいました。みんなキャリアと呼ぶし、何なら教員もキャリアって言っちゃうときあるし、まあそんな感じです。

 

多くはキャリアデザインとか、ビジネス教養とか、まあそういう系の講義で構成されていますが、そうじゃないのもあったりします。

 

アントレプレナーシップ科目は、それ自体2つの分類から成っています。

それぞれGA0, GA1と呼ばれています。

修士だったらGA0M, GA1M、博士だったらGA0DとGA1Dといった具合です。

 

 いや、「といった具合です」とか言われても全然イメージ湧かないんだけど?という方もおられると思います。

 

すみません、実は僕もよく分かりません。


一応、GA0の方が基礎的な内容、GA1が実践的な内容という立て付けになっているはずなんですが、講義を受けててその違いを明確に感じたことは僕は一度もありません。

 

 だいたいみんながよく取っているのは「博士キャリアデザイン」と「博士社会・ビジネスのルールと倫理」(通称:ビジ倫)で、これがそれぞれGA0DとGA1Dにあたるため、あとは残り2単位を取ればいいという感じです。

 

ちなみに上記の2単位は修士課程でも同様の名前の科目があり、それがGA0MとGA1Mに対応しているため、修士でも同じ科目を取った方も多くおられると思います。

 

内容についてですが結構範囲は広く、財表とかの会計の話とか、知財とかの法務関係、あとは研究倫理とかそういう系の話もあります。外部から講師の方を呼んで話をしてもらう時もあります。

 

ただこれはまあ仕方ないっちゃ仕方ないんですが、話の内容はかなり工学とかそっち系の人向けの話になっていて、理学の人にとっては割とどうでもいいことが多いです。耐えましょう。

 

 成績は大体どの講義も一緒で、原則オンライン、毎回の出席+A4用紙1枚程度のレポートで単位が来る仕組みになっています。僕は毎回6行くらいしか書いてないんですが、一応単位は来るのでそのへんは割と緩めだと思います(もちろん成績が欲しい人はちゃんと書きましょう)。中には出席もせずにレポートだけで単位を取れたという話も聞きますが、リスクを負いたくないならちゃんと出席はしましょう。毎週Zoomつけてるだけでいいわけですから。


 さて、上記の2単位を取って、残りの2単位をどうするかですが、実は後にも述べますが、物理学系には「アントレプレナーシップ科目に読み替え可能な専門科目」という部類の単位があり、これを使って埋める人ほとんどだと思います。

 

僕はなぜかキャリアだけで4単位埋めていて、「博士テクニカルライティング」というのと、「博士企業経営とビジネスモデルケーススタディ」という謎の科目を取っています。テクニカルライティングは、簡単に言えば論文を書くための講義で、期末に自分の研究について論文形式でレポートを書いて提出する必要があるんですが、僕はこの時すでに雑誌に投稿した論文を一本持っていたのでそれをほぼコピペして出したら普通に単位がきました。

 

もう1個の企業経営云々はビジ倫とかと同じ講義形式で、同じように出席+レポートで単位が来るやつです。内容はまあ経済とか興味ある人にとっては面白いと思います。


 あとは社会人経験がある方や社会人博士の方向けには「リカレント科目」というのが用意されていて、内容は知りませんがそれで単位を取ることもできます。


それから企業インターンに行く人用の科目もあって、これも詳細は分からないんですがインターンの長さによって単位がもらえます。まあ就活とかでインターンに行く人は検討してみるのがよいでしょう。

 

・専門科目

 物理の科目です。ただ注意しなければいけないのは、この専門科目は標準学修過程、つまり博士課程用の科目(内部の方向けに言うと600番台)でなければいけないので、たとえば修士課程用の授業を取っても要件に加算されません。

 

そしてもう一つ大事なのは、博士課程用の専門科目の講義に、通常の形式の講義はほとんどありません。

 

どういうこと?と思われたかもしれませんが、まあ聞いてください。


通常の形式の講義がないというだけで、単位を取る方法はいくつかあります。

 

 たとえば集中講義です。外部の方が大学に来て、何日かに分けて集中講義をしてくれます。だいたいどの分野の人でも1年に1~2個は関連する講義が開講されてると思います。分野外の講義にポロっと参加しても、まあそこまで苦労はしないんじゃないかな?分からんけど。

 

基本的に出席+レポートで単位が来ます。講義によっては質問を何回するとか、そういうのが課せられる場合もありますが、まあそこまでキツイものはないと思います。出席も、例えば出張とか研究室の用事で来られないとかあったら、全日出席できないとかは流石にアレですけど、まあ大体はお目こぼししてもらえると思います。

というかそれも許してくれないような講義(および講師)はその時点で地雷なので逃げた方がいいです。

 

僕で言うと、D2終了時点で集中講義を3単位取ってます。行きたかったけど出張で参加できなかったやつとかもあるので、時期が良ければもっと取れると思います。


 ほかの手段としては、「物理学コロキウム」という単位があります。

これは何かというと、まあ研究発表会みたいな感じです。分野問わず全員集まって順番に自分の研究の発表を(英語で)すると。そしたら単位がもらえるというまあ割と楽な科目です。

これが毎年1回ずつ、計3単位まで取ることができます。ただ開催時期が冬の12月~1月ごろで、D3でその時期に研究発表をする(そして単位を取り終わっていない)というのは現実的にあんまり考えづらい、というか考えたくないので、まあ2単位取れればいいかな、という感じです。

 

そしてこの物理学コロキウムの最もすごい点は、この単位をアントレプレナーシップ科目の単位として読み替えができるという点です。

 

つまりキャリアデザインとビジ倫、そしてコロキウムを2単位取れば、アントレプレナーシップの要件を充足できるということになります。ちなみにコロキウムはGA0Dに相当します。


まあ発表するのははめんどくさいし冬だし寒くて最悪なんですがまあ黙って取っておきましょう。これほど楽に取れる科目は他にありません。


 また物理学コースでは、「物理学プレゼンテーション実践」という科目があります。
これはどういうものかというと、研究会や学会で海外に行く学生がこの科目を申請して、申請書と報告書、あと所定の条件を満たせば、その学会の参加について単位がもらえるというものです。

物理学プレゼンテーションは研究会用の科目ですが、長期のスクールや海外に長期滞在しての共同研究など、色んなパターン用でそれぞれ科目が用意されており、それぞれ申請することによって単位がもらえます。

 

これも海外研究会によく行く人にとってはめっちゃ楽単と言えます。ただ申請書とか報告書は書くことが多くて意外とめんどい。まあでも単位のためならしょうがないね。

 

ちなみにこれらの科目もアントレプレナーシップ科目への読み替えが可能で、こちらはGA1Dに相当します。

 

つまりコロキウムと研究会参加をガチれば、実はキャリアの科目を一切取らずとも卒業要件を満たせるということですね。

ただまあ、そうすると総単位数の要件がかなり厳しいので現実的には両方取ることになるとは思います。


 他に単位を取る手段として、「物理学プレゼンテーション」とか「物理学ライティング」とかいう科目もあります。これは博士課程では珍しく通常の形式、つまり毎週出席するタイプの講義です。

これはその名の通りプレゼンとか論文執筆の勉強をする講義なのですが、2クォーター通しの講義で普通にしんどいしdutyも結構重いので僕はあまりオススメしません。


 あとは「ジョブ型インターンシップ」と言って、その名の通りインターンに行く講義もあります。キャリアのやつとは別に用意されていてこっちは専門科目に分類されるのですが、キャリア科目への読み替えも可能です。

まあ研究室で企業との繋がりがあるとかそういうのならいいんじゃないですかね。そうじゃなくても行ってもいいとは思いますけど、それで論文の要件を満たせる自信があるならって感じです。僕はやめといた方がいいと思います。

 

 

おわりに

 どうだったでしょうか。

 

東工大の物理学系の博士課程に行かないと全く役に立たない知識をこんなに長々と書いてしまいました。

 

でもまあ僕らがどんな感じで日々を生き抜いているのかを分かっていただけたのならよかったです。


 ここまで読んだ人はなんとなくわかったかと思いますが、単位をたくさん取らなければいけないと言いつつ、実はうまいことやればそれほど苦労なく要件を満たすことはできます。

 

ただ「うまいこと」できなかった人には、それなりに厳しい道のりが待っています。

 

正直、もうちょいどうにかしてくれても良くない?とは思います。

たとえば、研究会に参加しないと専門科目の単位が全然取れないのに、参加するとキャリアとかの定期開催の講義に参加できないとかね。まあ1回や2回なら許してもらえるケースがほとんどなんですけど、全然研究に関係ない単位のために研究活動が阻害される可能性があるというのはいかがなものかと思います。

 

 まあこれも社会不適合の烙印を押された我々に課せられた修行ということでしょうか。


 今後僕と同じ道を歩む方々には、これを参考にさっさとタスクを終わらせて、自由に研究活動に心血を注いでもらえるといいと思います。

 

 

それではまたどこかで。

 

 

おわり